1年前、他社施工による総合改修が終わったものの、仕上がりが気になり是正をお願いするもこれ以上は無理だというお話を受けて、是正をお願いできないかというのが当初のお問い合わせ内容でした。
色々と是正内容をすり合わせする中で、実は夏の室内異常高温に悩まされているとのお話。
当方が非常に得意としている外工法工法についてのお話をさせて頂きますと、ご興味があるとのことで、実際の現場をお知らせして見ていただくことに。
そして実際の効果についてのお話。
1年前に改修したばかりだからとのお話の中で壁の是正と断熱効果付与、両方を狙った外壁4面あるうちの2面施工(東側~南側)での施工を行ない、実際の効果を体感していただく施工へと進みました。
大成パルコンは地震に強い高強度住宅として認知されていますが、コンクリートの蓄熱性が仇となり、昨今の夏場で暑さに悩む方が多くなりました。
今回の物件も夏の暑さでクーラーの効きが悪い、水道がお湯になるなど、厳しい環境でした。
それを改善するのが今回のミッションです。
当初はスラブ面を残して、Zウォールを塗るデザインとしていましたが、断熱欠損を心配する施主様とのご相談の上、こちらに関してはZウォールで包む仕様変更となりました。
残すための養生が写真のものになります。
まずは2液エポキシ樹脂シーラー塗布後、Zウォールによる先行塗布を行ないました。実はサイディングにも塗装可能な本材、Zウォール施工後はシーリングの打ち替えも必要なくなるほどの高弾性塗膜です。
そしてZウォールについてメーカー規定や他社施工は最大8ミリですが、ツボイ塗工では最大15ミリ以上施工(凸部15ミリ以上/凹部10ミリ以上)を目指しての塗装となり、効果も増大します。
他社と申し上げましたが、首都圏で年間施工しているのは当方含めてわずか2社です。(一社はZウォールを模した疑似品施工です)
Zウォール1回目ベース塗り7ミリ施工です。この部分で基礎断熱を行ない、更に2回目塗布でランダムテクスチャー凸部15ミリ以上を目指す施工となります。
丁度、スラブ面を意匠として残す部分を撮影したものです。Zウォールの厚膜がしっかりと見えますね。このくらいの断熱塗膜がしっかりと外壁を覆います。通常の断熱塗装はものすごく上手な施工を行なったとしてもわずか1ミリ、それの10倍~15倍の塗膜です。
一年前の他社施工による部分。この是正を元々お願いされていた部分です。パターンが崩れ、段付きがとても気になるとのことでした。
同じ箇所でのお写真。Zウォールがどれだけノ厚みか、こちらの方が分かりやすいですね。
ダイナミックパターンです。凸部の最大は20ミリに迫ります。基本的に凸部平均15ミリ、凹部平均10ミリとして進めています。
旦那様がシュミレーションして下さった仕上がり予想図。
実際の完了後の様子です。断熱効果も高まり、水道から出た水が冷たくなった!クーラーの効きがとても良くなったと大変お喜び頂きました!
今回、無線温度ロガーを塗膜裏に仕込み、24時間温度管理を行ないました。日中のピーク温度をしっかり制御し、深夜から早朝にかけての低温時は夏場であっても断熱性能優位で進んでいます。
これは年間を通してZウォールが断熱効果を示すこと、熱変動が少なくなることによる躯体保護の観点、急激な温度変化による結露抑制効果を発揮します。
実は当方の試験体を持って関西ペイントが某大手食品工場結露対策提案、実証し、本格採用に至るなど、実際の効果は折り紙付き。
ただ、非常に管理が難しく、施工が難しい本材、経験値のある施工店で行なう必要がありますので十分にご注意下さい。